マイクロ波アンテナの要点まとめ(電気通信主任技術者試験「専門(無線)」)

電気通信主任技術者試験(伝送交換)の「専門的能力(無線)」で出題されるアンテナ分野についてまとめました


無線伝送の基本はこちら

無線伝送の要点まとめ(電気通信主任技術者試験「システム」「設備管理」) - チャーターブログ


過去問に出たところを中心にまとめ、特に穴埋めや単語のすり替えがあったところにはで強調しました


過去問を解きながら参考書にコピペしたものをもとに書いたものなので、怪しいところがあったり、重要なものが抜けていたりするかもしれませんが、参考程度に使用して下さい


参考書はこちら(無線を選択する人少ないのかこれくらいしかない...)

電気通信主任技術者無線テキスト

電気通信主任技術者無線テキスト

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 日本理工出版会
  • 発売日: 2005/04/01
  • メディア: 単行本


目次

フリスの伝達公式

送信アンテナの利得を$ G_t $、送信電力を$ P_T $としたとき、送信点からd離れた地点での電力束密度は次式になる


\begin{aligned}
P_U = \frac{P_TG_T}{4\pi d^2}
\end{aligned}


利得が$ G_R $であるアンテナの実効開口面積$ A_e $は、使用波長を$ \lambda $として次式になる


\begin{aligned}
A_e = G_R\frac{\lambda^2}{4\pi}
\end{aligned}


よって、受信電力は次のように表される
(フリスの伝達公式と呼ばれる)


\begin{aligned}
P_R = P_UA_e = \frac{P_TG_T}{4\pi d^2}\cdot G_R\frac{\lambda^2}{4\pi} = \frac{\lambda^2P_TG_TG_R}{(4\pi d)^2}
\end{aligned}

パラボラアンテナ

アンテナの送信指向性と受信指向性は位相も含め等しい
ただし、これをアンテナの送信と受信の指向性には双対性があると言われる訳ではない
後半の内容に触れていない文は正しい選択肢として出されましたが、後半も含めた場合(「双対性があると言える」という文)では誤りとなりました。そこまで細かいことが問われるのは少し変に思いますが、前半の文については一般的に正しいそうです。双対性についてはいくら探しても出てこないので、特に呼ばれ方は無いから誤りってことなのでしょうか


パラボラアンテナにおいて、主反射鏡エッジの照射レベルを高くすると主反射鏡からのスピルオーバーによるサイドローブが大きくなる


パラボラアンテナにおいて、鏡面精度が劣化すると、利得の低下及びサイドローブの上昇といった事象が生ずる


一次放射器及びその支持柱によるブロッキングでサイドローブが発生する

パラボラアンテナの利得

直径$ D $ [m](半径$ r = D/2 $[m])のパラボラアンテナの利得$ G_p $(真数)は、使用周波数を$ \lambda $ [m]として次式になる


\begin{aligned}
G_p = 10\log_{10} \left\{\left(\frac{\pi D}{\lambda}\right)^2 \cdot \eta\right\} = 10\log_{10} \left\{\left(\frac{2\pi r}{\lambda}\right)^2 \cdot \eta\right\}
\end{aligned}

アンテナの実効開口面積の式$ A_e = G\frac{\lambda^2}{4\pi} $についてアンテナの開口面積をA、開口効率を$ \eta $とすれば$ A_e = A\eta $となり、$ A = \pi r^2 = \frac{\pi D^2}{4} $を用いれば上の式(の真数部分)が導かれる


上の式から、開口面積が大きいほど、波長が小さほど利得が大きくなる


参考程度に、パラボラアンテナのビームの半値幅$ θ $は$ \theta \approx \frac{70\lambda}{D} \,[\text{度}] $と表され(第一級陸上特殊無線技士試験では出題されたが、本試験では覚える必要は無い)、半値幅はλが小さいほど、開口面積が大きいほど小さくなる


半値角は、最大利得の$ \frac{1}{\sqrt{2}} $(デシベルで-3dB、電力で1/2)に低下する2点間の角度である

※最大利得の方向からの角度ではない

一般に、半値幅が小さいということは利得が大きいということなので、各変数との関係は真逆になる

パラボラアンテナの種類

パラボラ、ホーンリフレクタ、カセグレン、グレゴリアンテナはどれも主反射鏡は放物面であるが、カセグレンアンテナとグレゴリアンテナには副反射鏡があり、前者は双曲面、後者は楕円面である


オフセットパラボラアンテナは副反射鏡がビーム放射方向の外に設置したもので、サイドローブを抑えることができる

ホーンアンテナ

共振を発生させる部分が構成要素に含まれていないため広帯域


開口角(又は開口面積)が、ある大きさのときに利得が最大になる状態がある
この利得が最大となった状態のホーンは、最適ホーンと言われる

角すいホーンアンテナ

方形導波管アンテナを漸次広げていった形状を有しており、方形導波管の基本モードである$ \mathrm{TE_{01}} $波で励振される


※方形導波管の基本モードは、TE波は$ \mathrm{TE_{10}} $($ \mathrm{TE_{01}} $を基本モードと言ったりもするらしい。x軸、y軸をひっくり返しただけだから良いのかな... そこらへんは分かりません。)、TM波は$ \mathrm{TM_{11}} $です。TM波では、$ \mathrm{TM_{10} }$や$ \mathrm{TM_{01}} $はTEM波となり、存在しません。下の教科書で詳しく説明されています。

電磁波工学の基礎 (新・電子システム工学)

電磁波工学の基礎 (新・電子システム工学)

  • 作者:中野 義昭
  • 出版社/メーカー: 数理工学社
  • 発売日: 2015/08/06
  • メディア: 単行本

最適ホーン

開口径を変え、利得が最大となるとき(最適ホーン)、開口面での位相のズレはH面は3/8波長、E面は1/4波長となる


開口面の横、縦の長さa、bは次のようになる


\begin{aligned}
a &= \sqrt{3l_h\lambda}
b &= \sqrt{3l_e\lambda}
\end{aligned}


※下のpdfファイルが非常にわかりやすいです
http://www.ieice-hbkb.org/files/04/04gun_02hen_06.pdf

円錐ホーンアンテナ

円形導波管の基本モードの$ \mathrm{EH_{11}} $モードを励振させる


最適ホーンでは、開口面での位相のズレは3/8波長で、開口径をdとして、ホーンのフレアの長さがlのとき、$ d = \sqrt{3l\lambda} $と表される


H面のビーム幅がE面より広く、H面のサイドローブが低くなる

コルゲートホーンアンテナ

ホーンの内側に薄いフィンを同心円状に多数設けたもので、 約1オクターブの周波数帯域にわたって軸対称ビームと良好な交差偏波特性を有し、 反射鏡アンテナの一次放射器として用いられている


円形導波管の基本ハイブリッドモードの$ \mathrm{EH_{11}}$モードを伝搬させる


フィンの長さが約1/4波長となるとき、低サイドローブで交さ偏波成分が少なくなる

マイクロストリップアンテナ

マイクロストリップアンテナ素子を用いて円偏波を発生させる方法には、1点給電方式と2点給電方式がある


マイクロストリップ線路を部分的に独立させ、 同軸線路などを用いて給電するものである
独立させたストリップ部分はパッチといわれることから、マイクロストリップアンテナはパッチアンテナともいわれる


マイクロストリップ形MMICは、半導体基板の片面が回路、もう一方の面が接地導体で構成されており、両面はバイアホールにより接続される
この構成における伝送線路の特性 は、基板厚に依存する


多層化/3次元MMICは、半導体基板上に薄膜誘電体膜を多層に積層し、その積層膜上にマイクロストリップ線路などの伝送路を形成するマイクロ波回路であり、伝送線路に対する基板厚は、多層誘電体膜厚に依存する

その他

有限地板上のモノポールアンテナの最大放射方向は、地板の縁効果によって地板より上方に傾く


アレーアンテナの指向性は、素子配列と励振分布にのみ依存するアレーファクタと、素子パターンので表される


※参考: http://ieice-hbkb.org/files/04/04gun_02hen_06.pdf