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電波伝搬特性の理論の要点まとめ(電気通信主任技術者試験「専門(無線)」)

電気通信主任技術者試験(伝送交換)の「専門的能力(無線)」で出題される電波伝搬特性の理論についてまとめました


過去問を解きながら参考書にコピペしたものをもとに書いたものなので、怪しいところがあるかもしれませんが、参考程度に使用して下さい


試験の過去問の他、電気通信主任技術者試験研究会のテキストからも引用しました

電気通信主任技術者無線テキスト

電気通信主任技術者無線テキスト



フルネルゾーンとクリアランス

海抜高 h_1, h_2の送信、受信アンテナ間に障害物があり、その位置は送信アンテナから d_1、受信アンテナから d_2であったとする
※その他の文字の意味は察して下さい


第n次フルネルゾーン半径 R_nは次のように表される
 R_n = \sqrt{\frac{n\lambda d_1 d_2}{d_1+d_2}}


障害物に対する電波通路のクリアランス h_cを求めたいとき、障害物のある地点の海抜クリアランス h_3から障害物の海抜高 h_mを引けば良い


海抜クリアランスを求めるとき、地球が球体であることを考慮しなければならない
地球が平面であると考えたときの2つのアンテナ間の最短経路の海抜高から、地球が球体であることを考えたときに海面が凸になる分の高さを引けばよい
等価地球半径をK、地球の半径をaとすると、海抜クリアランスは次のようになる
 h_3 = \frac{d_1h_2+d_2h_1}{d_1+d_2}-\frac{d_1d_2}{2Ka}


したがって、障害物に対する電波通路のクリアランスは次のようになる
 h_c = \frac{d_1h_2+d_2h_1}{d_1+d_2}-\frac{d_1d_2}{2Ka} -h_m


以上より、障害物のある地点において第n次フルネルゾーンを確保するには次の不等式を満たしていれば良い
 R_n \leq  \frac{d_1h_2+d_2h_1}{d_1+d_2}-\frac{d_1d_2}{2Ka} -h_m


ここまでできれば、あとは式をいじって条件を満たすようなアンテナ高を求めたりとかします

フルネル回転楕円体

送信アンテナTと受信アンテナRの間のn次フルネル回転楕円体上の点Mは、次の式を満たす
 \rm{TM} + \rm{RM} = \rm{TR} + n \frac{\lambda}{2}


逆に、上の式は点Mの2点との距離の和が一定であることを表し、点Mの集合は点T、点Rを焦点とする回転楕円体の表面となる

ホイヘンスの原理

波面上の全ての点は新しい波動の中心(波源)となり、それぞれ2次波を出し、こ れらの2次波の包絡面が次の波面を構成するという原理


フレネルはこの原理を拡張し、2次波の干渉を考えることにより回折の現象を説明した
この考え方をホイヘンス−フレネルの原理という

周波数掃引パターン

直接波と地上反射波1波が干渉する場合、周波数掃引パターンの1周期 \Delta f\rm{\,[Hz]}は、干渉し合う直接波と地上反射波の経路差\Delta r \rm{\,[m]}、光速 c \rm{\,[m/s]}を用いて、次式で表される
 \Delta f = \frac{c}{\Delta r}


〜解説〜
経路差\Delta rが波長\lambda_m の波m個と同じ長さのとき、反射時の位相がπずれると考えて、合成波は極小となる
波長を短くして次に極小となるのは、経路差\Delta rが波長\lambda_{m+1} の波(m+1)個と同じ長さのときである


これより、次の連立方程式が書ける


{\displaystyle 
\begin{eqnarray}
  \left\{
    \begin{array}{l}
     m\frac{c}{f_m} = \Delta r\\
     (m+1)\frac{c}{f_{m+1}} = \Delta r
    \end{array}
  \right.
\end{eqnarray}
}


 \Delta rを消去して mf_{m+1} = (m+1)f_mとなり、 \Delta f = f_{m+1}-f_m連立方程式の第1式を用いて、 \Delta f = \frac{c}{\Delta r}が導かれる


波長を長くして\lambda_{m-1}が(m-1)個分の長さであることを利用しても同様に導くことができる

見通し距離

高さhの送信アンテナの見通し距離dは、実地球半径a、等価地球半径係数Kを用いて
 d = \sqrt{2Kah}


〜解説〜
アンテナから見てちょうど見通し距離にある地点では、ちょうど真横にアンテナが見えます
そこで、斜辺 \left(Ka + h\right)、直角を挟む二辺が d、Kaの直角三角形ができるので、三平方の定理より
 (Ka+h)^2 = d^2 + (Ka)^2
これを解いて d = \sqrt{h^2 + 2Kah}となりますが、 h^2 << 2Kahから d \approx \sqrt{2Kah}と近似出来ます

屈折率

標準大気の屈折率nに換えて修正屈折率mを用いることにより、電波の伝搬に関しては球面成層大気を平面成層大気として扱うことができる


地球の実地球半径aと海抜高hを用いて、修正屈折率は次式になる
 m = n + \frac{h}{a}


真空の屈折率1との差を大きくしたのが修正屈折指数M
 M = (m-1)\times 10^6 = (n + \frac{h}{a} - 1)\times 10^6


標準大気の屈折率は高さが高いほど小さくなるが、修正屈折指数は普通大きくなる \left(\frac{dM}{dh}>0\right)


しかし、上空のほうが高温、又は低湿の場合は修正屈折指数Mが高度が高いほど小さくなる層が現れる \left(\frac{dM}{dh}<0\right)(逆転層)


ダクト内で電波は折り曲がりながら遠くに伝搬し、複数の経路が発生した場合にはフェージングが伴うことがある

絶対屈折率と相対屈折率

相対屈折率: 媒質1に対する媒質2の屈折率
入射角を \theta_i、屈折角を \theta_rとすると
 n_{12} = \frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2} = \frac{\sin \theta_i}{\sin \theta_r}


絶対屈折率: 真空に対する媒質の屈折率
媒質aの屈折率は媒質a中の光速を v_aとして
 n_a = \frac{c}{v_a}
と表される


以上をまとめると、
 n_{12} = \frac{n_2}{n_1} = \frac{v_1}{v_2} = \frac{\lambda_1}{\lambda_2} = \frac{\sin \theta_i}{\sin \theta_r}


※参考: 光の屈折 ■わかりやすい高校物理の部屋■

等価地球半径と屈折率

等価地球半径Kと、修正屈折指数の間には次の関係がある
 K = \frac{10^6}{a\frac{dM}{dh}} = \frac{0.157}{\frac{dM}{dh}}


0 < K < 1: 弧が下向きに凸となる
K = 1 : 大気は均質で電波は直進する
1 < K: 弧が上向きに凸となるが、地球より緩やか
K = 4/3: 標準な凸の弧
K = ∞: 電波の弧と地球の曲率が等しく、地表と平行に伝搬する
K < 0: 電波の弧が地球より凸になる

リッジ損失

 h_c = 0では接線伝搬となり、その受信電界強度は自由空間における受信電界強度の1/2倍となり、その伝搬損失は4倍となる
伝搬路途中にナイフ エッジ状の障害物があり、クリアランスが0mの場合、リッジ損失は6dBである。
電界強度を対数で表すとき、logの係数は20なので






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