チャーターブログ

あかさたな 浜金谷

遠くに見える場所までの距離を簡単に求める方法 使うのは手だけ!

山に登っていた時のことです
遠くに休憩所が見え、そこまでの距離が知りたいと思いました


正確である必要はなく、分速で割ることでおよそ何分で到着するかを知りたかったのです


そこで、次の近似式を思いつきました


 d \approx 60\times\frac{h}{\theta}


d: 目標物までの距離 [m]
h: 目標物の高さ [m]
θ: 目標物の見え方(角度)[°]
(θが小さいほど誤差が小さい)
正確に求める場合は60を57にする


近似式の導出と、この式の精度を見ていきましょう

近似式の導出方法

下の画像を見て下さい
f:id:monhime:20190618204945p:plain


θが十分小さい時、 \tan θ \approx θと近似できることを利用しています


理論値との誤差

h = 3m場合

1階建ての休憩所の屋根の地面からの高さが約3mです


θが小さければかなり近い値を取っています
f:id:monhime:20190614115003p:plain


実際に用いる場面の多い100以上の場合を見てみましょう
f:id:monhime:20190614114409p:plain



主なθでの誤差は次のようになりました

θ[°] 理論値[m] 近似値[m] 相対誤差
0.5° 344m 360m 4.72%
172m 180m 4.73%
85.9m 90m 4.76%
57.2m 60m 4.82%
42.9m 45m 4.89%
34.3m 36m 4.99%

h=10mの場合

山で生えている木の高さはおおよそ約10mです


こちらもθが小さければかなり近い値を取っています
f:id:monhime:20190614115105p:plain


100m以上の場合を見てみましょう
f:id:monhime:20190614114910p:plain


主なθでの誤差は次のようになりました

θ[°] 理論値[m] 近似値[m] 相対誤差
0.5° 1146m 1200m 4.72%
573m 600m 4.73%
286m 300m 4.76%
191m 200m 4.82%
143m 150m 4.89%
114m 120m 4.99%

いずれの場合にも、5°以下であれば相対誤差5%未満で求まることがわかりました

実際の使い方

角度の測り方

見え方の角度は手を使うことで測れます


腕をいっぱいに伸ばして

  • 指一本の幅が2°
  • 拳一つが10°
  • 拳から親指を立てて15°
  • さらに小指も立てて20°


参考: 手の分度器~身体を使った角度の測り方~ – 山上企画

精度を上げる

近似式の係数が60でかなりガバガバですが、これは目標物の高さを有効数字2桁以上で目視で知ることが出来ないため、係数を細かくしても無駄だからです


もし目標物の高さがわかっているのであれば、60を57にするだけで、10°以下であれば相対誤差1%未満で求まります(角度の測り方が正確であれば)


とはいえ、上で見たように相対誤差5%程度であっても、実用上は問題ないでしょう
ここで求めた距離を歩く速度 3\rm{km/h} \approx 50 \rm{m/min}で割ればあと何分で着くか分かりますが、歩く速度も大きく変動します


おわりに

近似を使えば、一見難しい式も暗算で解けるほどに簡単になるのです!


みなさんも今後山に行ったときなど、ふと距離を測りたくなったら使ってみて下さい