電気通信主任技術者試験(伝送交換)の「電気通信システム」、「伝送交換設備及び設備管理」で出題される伝送媒体の分野についてまとめました
過去問に出たところを中心にまとめ、特に穴埋めや単語のすり替えがあったところには赤で強調しました
過去問を解きながら参考書にコピペしたものをもとに書いたものなので、怪しいところがあるかもしれませんが、参考程度に使用して下さい
試験の過去問の他、NTTラーニングシステムズのテキストからも引用しました
第2版は最近の試験問題の内容も追加されているのでおすすめです

電気通信教科書 電気通信主任技術者 伝送交換設備及び設備管理・法規編 第2版
- 作者: NTTラーニングシステムズ株式会社
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2014/07/15
- メディア: 大型本
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目次
シールドの種類
・ケーブルの保護
ポリエチレンシース
機械的強度に優れ、架空・管路敷設等、多くの環境で使用される最も一般的なシース
・難燃ポリエチレンシース
難燃性をもたせたポリエチレンシース
・HS(High Strength)シース
HS(HighStrength)シース波付け加工をしたステンレステープ上にポリエチレンシースをほどこした構造で、機械的強度を高めています。キツツキや鼠、リス等の鳥獣害対策に用いられる
・色帯シース
ポリエチレンシース上に黄色や緑色等のストライプを設けた構造です。複数本のケーブルが敷設されている環境で、識別性を向上させる
光ファイバケーブル
・全反射型の光ファイバの一種である空孔アシスト光ファイバは、クラッドの内部に空孔を設けて伝搬光のクラッドへの広がりを制限することにより、汎用の光ファイバと比較して、小さな曲げ半径でも光が漏れにくいという特徴を有している
・光ファイバは、光をコアに閉じ込めて伝搬する導波原理で分類すると、全反射によるものとブラッグ反射によるものに大別され、ブラッグ反射を用いた光ファイバには、フォトニックバンドギャップ光ファイバがある
・テープ心線をSZ練りの溝型スロットに収容した架空用光ファイバケーブルは、中間後分岐が可能であるため、FTTH網の架空区間に適用される
※FTTHについてはこちらの記事参照
データ通信ネットワークの要点まとめ(電気通信主任技術者試験「システム」「設備管理」) - チャーターブログ
伝搬モード
シングルモード光ファイバ
・コア径を小さくすることにより、単一の伝搬モードにした光ファイバで、マルチモード光ファイバに比較して損失、帯域特性が優れているため長距離、大容量伝送に適している
・カットオフ波長よりも長い波長の光に対しては、その光はシングルモード形になり、カットオフ波長より短い波長の光に対してはマルチモード形になる
・SM光ファイバには汎用のSM光ファイバのほかに、分散シフトSM光ファイバ(DSF)、ノンゼロ分散シフトSM光ファイバ(NZDSF)などがある
汎用シングルモード光ファイバ(SM) | 1310nm帯にゼロ分散波長 |
分散シフト・シングルモード光ファイバ(DSF) | 伝送損失が1310nm帯より低い1550nm帯を零分散波長とし、長距離伝送に適する |
非零分散シフト・シングルモード光ファイバ(NZ-DSF) | 零分散波長を1550nmから少しずらすことで非線形現象を抑制。波長分割多重(WDM)伝送に向き、超高速の長距離伝送に適している |
・シングルモード光ファイバには、構造分散と材料分散を合わせた波長分散が存在する。 このうち、材料分散は光ファイバの屈折率が波長により異なるために生ずる分散である。
・光ファイバがシングルモードになるための条件は、規格化周波数といわれるパラメータが2.405より小さくなることであり、光ファイバのコア径を小さくする方法などによって実現することができる
・モードフィールド径(MFD:Mode Field Diameter)
シングルモード光ファイバ内を伝搬する光の断面方向の光電力分布の広がりを表す指標で、光信号がコアからどのくらいクラッド側に漏れ出して伝わっているかを表し、通常はコア径よりも若干大きくなる
MFDから光ファイバーを接続する際の接続損失を求められるので、接続のしやすさを評価する指標としても使われる
光学的手法ではコアの識別が困難であることから、便宜上、光強度分布からコアとクラッドの境界部分を読み取り、求められる
マルチモード光ファイバ
・シングルモード形より伝送損失が大きいが、光ファイバの接続が簡単でネットワーク機器も圧倒的に安価なため、LANなどの短距離伝送で利用されている
・複数の伝搬モードを持つためにモード分散が発生するため、一般にコアの屈折率を変化させたグレーデッドインデックス型の導波構造が採用されている
ステップインデックス・マルチモード光ファイバ(SI) | コアの屈折率が一定で、光はコア内を多くのモード(通り道)に分かれて伝搬し、モードによる経路差が大きいため信号が大きく歪んでしまうため狭帯域になる。現在ではほとんど使用されない。 |
グレーデッドインデックス・マルチモード光ファイバ(GI) | コアの屈折率を滑らかに変化させることでステップインデックス型で見られた伝搬信号の歪みが大幅に改善された。 |
参考
光ファイバ/ケーブルの基礎知識 - 住友電工Optigate