概要
DCモータにかかる電圧の上昇時、降下時の電圧、電流の計測
装置
ページ下の本のchapter4-6とArduinoのソースコードは同じなのでソースコードは載せない
配線図
fritzingに5.1kΩの抵抗が無いので制御ICの下の抵抗器のカラーコードは実際は緑茶赤金
これに加え、モータ付近に適切に電圧計、電流計を接続した
参照した本では電力供給用電源用にマイクロUSBDIP化キットを使っているが、AruduinoをAC/DC変換アダプタ(DC:9V 2A)でコンセントに接続するため十分な電流は確保できると考えたのでここでは使わない
Arduino UNO
今回使うのは5V電源、GND、5、2、1番ポート
5番はPWMでアナログ出力
2番、1番は2つのタクトスイッチの状態を測る入力
タクトスイッチ
1kΩ抵抗をプラス側に直列につなぎ、スイッチのプラス側の電位の変化でスイッチの状態をマイコンに入力
マイコンには
奥のスイッチを一回押すと5番ポートの電圧が5段階上がる
手前のスイッチを一回押すと5番ポートの電圧が5段階下がる
となるようなプログラムを読み込ませてある
テスター
電圧計( mV ): CUSTOM M-02N
電流計( mA ): MASTECH MS8264
モータにかかる電圧(V)、電流(mA)をタクトスイッチを一回押すごとに両方計測した
※動画は概要説明するためであるので、値を見ずにボタンを押した
DCモーター
もともと部屋にあったのを使った。型番は不明。
モータ制御IC
TA7291P
複数の制御用の入力と電力供給用の入力からモータに入力する電流を流した
詳しいことはページ下の本参照
結果
グラフの横軸はタクトスイッチを押した回数
・電圧上昇時
27回押したところで回転が始まった
電圧は回転が始まる前は緩やかに増加し、回り始めると急激に増加、その後単調増加した
電流はやや急に増加した後、回り始めると急激に減少し、その後緩やかに増加した
上の電圧、電流の値からこのモーターの抵抗値をグラフにした
回転を始めると2Ω程度の抵抗値が急に15Ω程度に増加し、電圧が上昇するにつれ穏やかに抵抗値が増加しているのが分かる
・電圧降下時
電圧上昇時に見られた、回転している時としていない時の間の非連続な動きは見られなかったが、電圧はの変化率は急激に変化している
抵抗値は電圧上昇時のような値が急にとぶ非連続な動きはしないが、回転時は電圧が下がるほど抵抗値が小さくなっている。
考察
直巻か分巻かよくわからないが、どちらにも言えそうなことを自分なりに考察
・電圧上昇時
回転速度N[min^(-1)]は、電機子の逆起電力E[V]、毎極の磁束φ{Wb]、定数Kv、端子電圧V[V]、電機子抵抗ra[Ω]、電機子電流Ia[A]を用いて次のように表される。
この式より電機子電流Ia[A]は
回転速度N=0なので、始動電流Is[A]は
よって、回転が始まるまでは抵抗値は一定でかつ、電圧は電流に比例し、回転時よりも大きな電流が流れる。
※詳しい式の導出は『電験三種 合格一直線 機械(LICENCE BOOK)』(著: 菅原秀雄)参照
動画を見ると分かるが、回転が始まると急に回転速度が生まれるため電機子電流が急激に減少し、電機子の逆起電力により端子電圧が急激に増加する。
電圧を加えるほど回転数は上がるが、逆起電力のため電流が流れにくくなっていくため抵抗値が緩やかに大きくなったと考えられる
・電圧降下時
上で書いたことの逆。
ただし、回転速度は連続的に0に近づくため逆起電力も連続的に減少するので、回転時と停止時の間で電圧、電流、抵抗値が非連続なグラフにならなかったと考えられる
おわりに
電圧の上昇時と下降で動きが全く違うのが驚いた
電子回路を理解するには理論より実験のほうが非常に効率が良いと感じた
参考

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